はじめに
私は、生まれてからずっと草津市で育ってきました。そして、大学進学を機に草津市を離れ、約10年間を他府県で過ごしました。連休等があっても殆ど帰省できず、1年か2年に1度ほど短期間の帰省をする程度でした。しかし、父が経営する家業を私が引き継ぐことになり、私は永らく離れていた草津市に戻ることになりました。久しぶりに草津市に住んでみると、街並みが大きく変わっていることに気が付きました。駅前に大型マンションや大型チェーン店が立ち並び、通勤通学の時間帯以外は閑散としている様子を見て、あまりの変わりように愕然としました。私の育った草津市の活気を懐かしく感じると同時に寂しい気持ちになりました。そんなとき、草津青年会議所の先輩から「一緒に地域に貢献しないか」と声をかけてもらい、地域を良くしたいという漠然とした気持ちを抱いて入会を決意しました。
私が2017年度に入会して以来、委員長、室長、副理事長などの役職の他、滋賀ブロック協議会においては事務局長、副会長を経験しました。どの役職においても様々な学びがありましたが、特に委員長をしたときの経験が青年会議所活動をしていく上での私の原点になっています。当時、「とにかく地域の子供たちが喜んでくれる事業をしたい」という想いだけで事業計画を始めましたが、まだ入会から間もない頃であったこともあり、右も左も分からず独りで苦悩していました。そんなとき、私の想いに賛同してくれた同委員会のメンバ ーが時間を割いてサポートしてくれるようになり、少しずつ私の想いが事業として形にな っていきました。計画を進める中で、一人、また一人とメンバーの仲間が増え、ついには団体の垣根を越えて、多くの地域の方々にも協力してもらえることになりました。そうして迎えた事業当日は募集定員数を大幅に超えた数の応募があり、子供たちのたくさんの笑顔を見ることができました。その笑顔は、メンバーをはじめ関わった大人たちに幸福感や達成感を与え、私は胸がいっぱいになりました。
この事業経験を通して、私にとって2つの大きな学びがありました。1つ目は、強い想いを持ち、目標に向かって奮闘する姿が仲間を集め、実現につながるということです。最初から実現できそうな低い目標ばかりを掲げていては、組織は成長せず、地域への貢献もできません。メンバーが強い想いをもち、掲げた目標に向かって全メンバーで挑むことで、新たな同志が集い、より一層地域に貢献できるだと思います。2つ目は、私たちは地域の子供たちに焦点をあてた活動・運動をしていくべきであるということです。子供たちが地域と関わりをもって楽しく過ごすことができれば、大人たちは子供たちのために地域活動や仕事にさらに取り組むようになり、地域がより活性化することにつながります。また、子供たちが地域と関わる機会を増せば、集まった子供同士が深い友情を育み、強い愛郷心を抱きながら、この地域の新たなリーダーへと成長していきます。これらの連鎖を巻き起こすことこそ、私たちが地域の方々から必要とされる組織であり続けるためにすべき活動・運動であると考えます。私たちは地域の子供たちに焦点をあて、強い想いを持って、メンバー一丸となって地域貢献に邁進していきましょう。
地域の子供たちの愛郷心を育む
数年前まで、草津駅前の商店街を中心として納涼祭が行われ、大いに賑わっていました。私が子供の頃、友人や家族と納涼祭へ遊びに出掛けることが毎年の大きな楽しみでした。多くの人が行きかう中、旧友との偶然の再会、沢山の屋台、煌びやかなまちの景色に心躍らせました。納涼祭は今でも大切な思い出の一つです。私は地域との関わりの中で愛郷心を育んできたのだと実感しています。大人になった今、今度は私たちが子供たちに同じことをしてあげる番ではないでしょうか。しかし、昨今では新型コロナウイルスの影響やインターネット上でのコミュニケーションの増加などにより子供たちが地域と関わる機会が少なくなってきております。対人関係の希薄化が進み、子供たちが地域に対して無関心で愛郷心がないまま成長すれば、将来は貢献しようとする人が減少し、活気のない冷たい地域になってしまいます。私たちは、各種団体と協働することで、子供たちが地域と関わる機会を増やし、愛郷心を育んでもらえるよう邁進します。
メンバーの自己成長のために
私が滋賀ブロック協議会に出向して感じたことは、青年会議所には多くの学びと交流の場があるということです。各種大会や交流事業などに参加することで、青年会議所の活動・運動に対する見識と仲間の輪が広がり、さらに地域に貢献できる人材への自己成長することができます。しかし、草津青年会議所では入会歴が浅くて若いメンバーが増えてきており、そういった場を知らずに自己成長の機会を逃している現状があります。さらに近い将来、現在中枢を担っている多くのメンバーが卒業する予定であり、このままでは次世代を担うメンバーに大きな負担がかかり、ひいては草津青年会議所の存続が危ぶまれる可能性があります。私たちが地域の先導者として「明るい豊かな社会の実現」に向けて活動・運動を展開していくために、青年会議所で実施される多くの学びと交流の場を有効活用して、次世代を担うメンバーを中心に自己成長の機会を創出します。
私たちは委員会や理事会などの会議を基盤として組織運営をしています。個性あるメンバーが自身の意見を主張することは会議において最も重要なことです。後輩が先輩に意見が出来ない、上役には意見しづらい、という状況になっては個性が活きず効果的な会議とはなりません。個性が調和し、組織基盤がさらに強固なものとなるために、メンバーの個性を十分に発揮できる環境を作り、活発な議論が飛び交う効果的な会議を行うことで、メンバーの考える力を向上させていきます。
一般社団法人みとよ青年会議所との絆
2023年度、一般社団法人みとよ青年会議所と公益社団法人草津青年会議所は、姉妹JC締結40周年の節目の年を迎えます。1983年度の姉妹JC締結より、様々な交流の機会を設けることで絆を深めてまいりました。今後も良好な関係を継続し、両青年会議所の後輩へ伝承していかなければなりません。そのために、互いに仲間として信頼し合い、助け合う関係をこれからも維持していくという決意を込めて、40周年の姉妹JC締結式を執り行います。そして、両青年会議所がこれまで以上に強固な絆を築き上げるために、互いの地域の子供たちを含めた交流の機会を共に作り、相互の地域貢献を通じてメンバー間の交流を一層促していきます。
地域に信頼される組織になるために
私たちは各種規定に則って適正な組織運営、適正な予算管理、徹底したコンプライアンス管理を行い、地域に対してより透明性を確保した健全な組織でなければなりません。さらに、公益事業を行っていく上で、地域の方々にご参加いただくためには、私たちの運動を地域の方々に認知していただくことが重要です。情報発信ツールを駆使し、事業内容や私たちの想いを多くの方に知っていただくことで、地域を巻き込んだ事業を展開していきます。
組織の在り方は時代の流れと共に変化していくものです。これまでの在り方をただ踏襲しているだけでは時代の流れに乗り遅れ、組織が脆弱なものになり、地域からの信頼を失ってしまう可能性があります。いつの時代においても不変であるべきことと、時代の流れに乗 って柔軟な変化をしていくべきことを見極めていくことが重要です。透明性のある健全な組織体制を保ちながら、柔軟に変化する視野をもつことで、メンバー全員で組織を改善していきます。
会員拡大について
私たちは地域のニーズに合った組織となるべく、55周年ビジョン「シン 住み良いまち草津」のもと、地域課題の解決に向けた活動・運動を展開しております。しかしながら、地域の課題を解決するためには、私たち草津青年会議所メンバーだけの力では不十分です。行政や各種団体の皆様と手を取り合い、ビジョン達成に向けてより一層邁進していきます。メンバーが一丸となって地域のことを想いやり行動するその姿は、必ず人々の心を打ち、まだ見ぬ熱き心を持った同志たちが自然と集う組織となります。地域にとって魅力的な組織となることを目指し、活動・運動を展開していきます。
結びに
草津青年会議所は、たった独りでは成しえないことを仲間たちと共に突き進み、実現していく組織です。共に苦労し、共に汗をかき、共に喜びを分かち合いながら強い友情を築き上げていくのです。そして、強い想いをもったメンバーが何事も臆することなく挑戦していく姿を見て、新たな同志が集い、友情の輪はさらに大きなものとなると信じています。
2023年度のスローガンは「挑夢」と書いて、「いどむ」と読みます。メンバーが夢に向かって挑戦するという意味だけではなく、地域の子供たちの夢を創造することに挑戦していくという想いを込めました。メンバーの個性が活き活きと調和し、夢を現実にする草津青年会議所を目指して、1年間邁進していきましょう。
【基本方針】
1、地域の子供たちの愛郷心を育み、子供たちの友情の輪を広げよう!
1、地域を先導する若きリーダーとなり、新たな価値を創造しよう!
1、より強固な組織を築き上げよう!
1、55周年ビジョンの達成を目指し、メンバー全員で取り組もう!
1、みとよ青年会議所との姉妹JC締結式にメンバー全員で取り組もう!
【LOMスローガン】
挑夢(いどむ)
描く夢、広がる未来、叶える力